就職先を考える際に、“リユース業界”を候補に挙げる人は少ないかもしれません。しかし、環境意識の高まりやデジタル化を追い風に、リユース業界は今まさに大きな成長期を迎えています。
この記事では、環境省が公表した「令和6年度 リユース市場規模調査報告書」をもとに、リユース業界の仕組み・売れ筋カテゴリー・最新トレンド・将来性をわかりやすくレポート。就活生のみなさんは、ぜひ業界研究に役立ててください。
リユース業界にはどんな業態・サービスの会社があるの?
リユース(中古品流通)業界には、大きく分けて次のような業態・サービスがあります。
| 実店舗型リユースショップ | 店頭で中古品を買い取り・再販する最も一般的なモデル |
| オンライン型/EC併設リユース事業 | 店舗に加えて、ECサイトで全国販売を行う |
| 個人間取引 (CtoC) プラットフォーム | スマホアプリやネットオークションを通じて、個人間で売買を行うサービス |
| BtoB/専門特化型 | ブランド品・ホビー・法人向けPCなど、特化分野に強みを持つ事業者 |
| 出張買取・宅配買取サービス | 消費者自宅からの回収・買取を強みとし、仕入れチャネルを強化するサービス業態 |
リユース市場規模を購入先別に見ると、店頭販売が34.9%と最大で、次いでネットオークション(24.4%)、ネット通販(22.2%)、フリマアプリ(13.8%)と続き、この4つでほぼ市場全体を占めています。今のリユース業界は、 「どこで買うか/どこで売るか」 の選択肢が非常に多いことが特徴です。

リユース業界のサービスの仕組み
典型的な「実店舗+EC併設モデル」を例に、リユース業界のサービスの流れを見てみましょう。
| ①買取(仕入れ) | 消費者(または企業)から中古品を買い取ります。店舗持込・宅配・出張などのチャネルを使い、商品の状態・ブランド・市場需要をもとに査定します。査定の正確さやスピードは、仕事の質を決める大切な要素です。 |
| ②クリーニング | 買取した品をクリーニング、点検・修理し、販売可能な状態へ整えます。中古品は1点ごとに状態が異なるため、クリーニング技術や在庫管理などに専門性が求められます。 |
| ③再販(流通) | 実店舗や自社ECで販売、あるいは提携するフリマアプリなどへ出品します。実店舗とEC在庫を連動させ、ネット予約後に店舗受け取りができるサービスも増えています。 |
リユース業界の特徴は、仕入れを「お客様からの買取」によって行う点にあります。一般的な小売とは異なり、商品価値を見極める査定や、状態を整えるクリーニングといった工程が、サービス品質を左右する重要な業務です。
企業側は、査定スピードの向上、宅配買取の利便性、アプリ連携など、ユーザー体験を高める取り組みで差別化を進めています。
今売れ筋のカテゴリーは?
2024年の自動車・バイクを除くリユース市場規模は、約1兆3,000億円。上位カテゴリーは、「ブランド品(17.2%)」「衣類・服飾品(8.6%)」、「楽器類(7.9%)」、「パソコン・周辺機器(7.0%)」などが占めています。

一方、伸び率に注目してみると、「玩具・模型」は、前回比で+63%と大幅に伸びています。「携帯電話・スマートフォン」も+34.8%と、今後も続伸が期待できる注目カテゴリーです。その他、「ゲーム機器」「スポーツ・レジャー用品」も+10%前後と堅調です。

画像:環境省|令和6年度 リユース市場規模調査 報告書をもとに作成 ※バイク、原付バイク除く
趣味・エンタメ系やデジタルガジェットの人気が高く、好きなものに投資する若年層の価値観が、リユース市場を後押ししていることが読み取れます。
リユース業界の最新トピックス
環境省は循環型社会の形成に向けた取り組みを強化しており、2025年6月には「リユース等の促進に関するロードマップの方向性」を公表しました。循環経済分野の市場規模を2030年までに約50兆円から80兆円へ拡大するという大きな目標が掲げられ、自治体と企業が連携したリユース促進策への期待が集まっています。
リユース業界全体では、EC化・デジタル化が加速中です。実店舗とネットを組み合わせたオムニチャネル化が進み、宅配買取やアプリ連携で顧客接点を広げる企業が増えています。
一方、販路別に見ると、店舗販売(BtoC)が前年比8.2%増の1兆2,380億円と好調です。BtoCネット販売や、フリマアプリなどのCtoC取引は伸び悩んでおり、リアル店舗の存在感が再び強まっていることが明らかとなりました。
出典:リユース経済新聞|リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)
リユース業界の将来性は?
2024年度の市場は約3兆5,000億円、2030年には約4兆円規模への拡大が予測されており、リユース業界は今後も十分な成長が期待されます。脱炭素・循環型社会の進展により、「すてずに再流通させる」という価値が広がり、政策面でもリユースが力強く後押しされています。
また、消費者調査では、「過去1年で中古品を購入したことがない人」が70%を超えており、未開拓の潜在市場が依然大きいこともポイントです。
リユース業界がさらなる成長を遂げるには、事業の信頼性が鍵となります。不適正な事業者によるトラブルも一定数発生しており、環境省では優良事業者ガイドラインの策定を検討中です。商品の真贋鑑定・状態説明・アフターサービスなどを通じ、業界の透明性が高まれば、さらなる市場拡大が見込まれます。
就活生としては、「環境政策 × リユース」「デジタル × 実店舗」「若年層ニーズ」「信頼性の確保」といったキーワードを押さえておくと、業界理解が深まり、志望動機やキャリアイメージの具体化にも役立ちます。
出典
リユース経済新聞|リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)
「すてない社会」をつくるために、挑戦し続けるブックオフ
ブックオフは、リユース業界のリーディングカンパニーをめざし、プレミアムサービス事業や海外展開など、新しい挑戦を続けています。自治体・企業と連携した「すてない社会」づくりにも取り組み、循環型社会の形成に向けた多様なプロジェクトを展開しています。
ブックオフのモットーは、「まずやる。あとでなおす」。新卒でも店舗づくりや企画でアイデアを出し、買取・販売・企画・マネジメントなど幅広い業務を経験しながら、自分らしいキャリアを築くことができます。
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