｢あそビバ｣
立ち上げストーリー
2022年8月に初めて出店した「あそビバ」は、「大人も子どもも思いっきり遊べる」がコンセプト。
トレカ、ゲーム、アニメなどを楽しめる新しいお店の立ち上げの経緯について、話を聞きました。
あそビバとは？
「子どもたちが無心に遊べる場を作ってあげたかった」
「新たなコンセプトのお店を作ろうという話が本格的に始動したのは、2020年になってからです。コロナ禍で、アパレルなどの商材の売上が落ち込み、打開策を模索していた時期でした」。そう語るのは、西日本支社の山本さん。以前から、「売る」「買う」だけでなく、遊ぶ、触れる、会話する機会があるお店という構想があり、当時着目したのはトレーディングカードやホビー関連商品の人気でした。 「特に地方は、子どもたちが遊べる場所が減っていました。何とかしてあげたいと考える一方で、トレカ専門店とのやりとりが増えており、専門的に取り組んでいく土壌ができていました。トレカとホビー商材こそが、私たちが考える『あそビバ』のコンセプトにうまくはまると感じて、具体的なプランを設計することになりました」 モノを売るビジネスに、新しい価値を。いいコンセプトだからやってみようという社内の後押しを受けて、最初に取り組んだのは、既存のブックオフの店舗で「あそビバ」のモデルを作り上げることでした。
ブックオフでトライアル
「専門スタッフの育成とお店作りに時間をかけました」
「あそビバ」を成功させるうえで、最も重要だったのはトレカ専門のスタッフの育成です。それまでは、ホビー全般に詳しい主任やスタッフはいても、トレカに特化した人はいませんでした。「トレカの価値がわかり、コアなファンの方々と信頼関係を築ける社員が必要でした。ブックオフの店舗にトレカのゾーンを作って、専門の主任に入ってもらい、店づくりのトライアルと人の育成を同時に進めました」。山本さんは、新たな主任と二人三脚で、コーナーのレイアウトや商品の配置まで一緒に考えたそうです。 「苦労したのは、トレカ市場の最新の相場を把握するための調査と、店内のレイアウトですね。ブックオフなら、商品をいかに見やすく効率よく配置するかを考えます。UFOキャッチャーやガチャガチャ、対戦スペースといった遊ぶためのスペース作りは初めてで、あれこれ話しながら試行錯誤しました」 この時期は、トレカ専門店やホビーショップに足を運び、「あそビバ」はどうあるべきかを研究し続けたといいます。
いよいよ新店スタート
「オープン当日の260人の行列が印象に残っています」
2020年12月にブックオフの3店舗にコーナーを作ってから、1年8ヵ月。「あそビバ」の1号店となる「イオンモール和歌山店」が2022年8月にオープンとなりました。 「新店舗の立地で重視したのは、近くにブックオフがあること。商品の流通をスムーズにできるようにしたかったからです。子どもに楽しんでほしかったので、親子連れが多いショッピングモールというのも条件のひとつでした」 オープニングスタッフは6人。32坪の小さなお店で、ベストなレイアウトを探り当てるのが大変でした。直前の1週間は、コンセプトやお客様への対応の仕方などをすり合わせる大事な時間。「オープンまでにSNSのフォロワーを1万人は集めよう」「日々の情報発信を10件はやろう」と、さまざまな取り組みを行いました。 「印象に残っているのは、やはり初日です。本当に人が来てくれるのか、お店を愛してもらえるだろうかと不安を感じながら準備していたので、オープン前に260人の行列ができたことと、終日にぎわったことは忘れられません」
あそビバの未来
「遊び場が足りていない地域に楽しさを提供したい」
トレカ人気の高まりもあって、「あそビバ」は順調に店舗数が拡大。イオンモール和歌山店、イオンモール堺北花田店、イオンモール各務原店に続き、2023年11月には「イオンモール草津店」「イオンモール鈴鹿店」がオープンしました。 「世の中のトレンドにマッチしているのが大きいですね。コンセプトでもある遊ぶ機会の提供によりライト層・コア層どちらも取り込めて、リピーターも増えています」 山本さんにとって最大の気づきは、長年携わってきたブックオフのやり方とは違う視点で店舗のマネジメントを考えられたこと。同時に、仕事をまかせてもらえるブックオフのよさを再認識したプロジェクトだったといいます。 「まだまだ遊び場が足りていないさまざまな地域に出店できればと思っています。お客様が楽しんでいる姿をいつも見ていますし、これからも提供できる自信があります。今も、新しいことにチャレンジしていこうという話を常にしてますね。チームで、もっとよいお店を作れるようがんばります」
